2008年2月28日木曜日

語彙の増やし方

私は語彙が言語の習得で最も大事だと思っている。語彙と言っても単語、熟語、フレーズ、会話表現、コロケーション、慣用表現などのいろいろがカテゴリーで区別される場合があるが、私はつながりや使い方さえ分かれば特に厳格な区別はしなくてもよいと思う。

問題はそれをどのように、そしてどれだけ覚え、実際に使えるかということだ。語彙を増やしても、それがウル覚えでは受動的な言語力しか発達しない。また発音などを無視し、つづりだけで覚えたのでは読解や作文には使えても、リスニングや会話には使用できなくなる。

日本人は受験などで多くの語彙を覚えるはずだ。しかし残念なことにその覚え方がウル覚え、文字との認識だけによる記憶しかない。これが会話やリスニング力を低下させている理由だと思う。会話を重視するなら、語彙を増やす際には音もともに覚えるべきだろう。現在の英語教育では発音記号の読み方を教えれる人は少ない、またそのような学習がALTによって不要とされてきている。

しかし、新しい単語を覚える際には発音を知らなければ覚えられない。幸い、近年の電子辞書の発達により発音を実際の音で確認できるようになり、この点に関しての不安材料は少なくなりつつある。

もう一点、語彙を増やす際の問題点は、その語彙が本当にネイティヴ達が使っているかである。最近ではコーパスと呼ばれる使用例のデータが入手できるようになり、語彙の使用頻度が統計的にわかるようになってきている。このような情報を積極的に利用し使われる語彙だけを優先して覚えさせることが英語教育において重要だろう。

最後にこれは私の語彙の増やし方だが、偶然にもNHKの「英語でしゃべらないと」のキャスターのパックンと同じ方法だったが、紹介したい。

1.会話やリスニングで新しい語彙に遭遇したら、その単語やフレーズをメモる。または携帯などのメモに保存する。単語は英語で意味は日本語でよい。

2.その語彙とまた遭遇するために、その語彙が出てきそうなテレビ、映画、ラジオ、ポッドキャストを聞く。

3.録音をして何度もその発音の仕方、使い方を身につける。

*音声によるリゾースを使用するのは目的が話すためだからだ。もし、英語を書いたり、もっと高度な文を読むために語彙を増やしたいのならば、リゾースを新聞、雑誌、小説に変えればよい。つまり簡単にいえば、話すための語彙作りは聞いて増やす、書くための語彙作りは読んで増やすということだ。