2008年2月9日土曜日

文字から音へ

 言葉が再度メディアにより変容しようとしている。インターネットは15世紀のグーテンベルグの活版印刷の発明に近い力で言葉の形を変えようとしている。15世紀以前は言葉は全て音により伝えられていた。英語は我々の日本語など絵文字から発展した言語と異なり音で伝えられていた。英語ほど文字のシステムの発展が遅れた言語はない。それが、15世紀の活版印刷と航海時代や植民地化に伴い、印刷物や研究書物、そしてキリスト教の布教により聖書の印刷などが始まり話す言葉とつづりの関係が考えられるようになった。他のヨーロッパで使用していたアルファベットを使用したもののヨーロッパの言語に影響を受け、またイギリスの地域や階級により発音などが異なるイギリスでは単語のつづりもまちまちであった。ある程度の統一が行われていったにも関わらず、活版印刷からまだ600年ほどの英語はそのつづりも矛盾するものが多く多くの英語学習者やネイティヴでさえ読み書きを困難にさせている。
 1990年代インターネットの普及により英語の文字が世界に更に広がることが予想されたが、この数年のPodcastやStreaming RadioやYouTubeなどの音を伴うコンテンツが広がる傾向を見ると英語の文字よりも英語の音の普及のほうが早いのではないかとも思う。私は今の英語学習者は恵まれていると思う。昔は英語の生の音を聞こうとするならば、EFN(現在のAFN)か映画館で映画を見るくらいしかなかった。しかし、いずれも生の一般のネイティヴがどのように話しているかを聞くことはできなかった。しかし今はインターネットで世界の英語、そして様々ななまりなどが聞ける。
 英語のように音から発展した言語の学習には音から学習するのが一番良い。文字から発展した日本語を話す我々はつい文字から入るが、まず音から。このよな英語を学習しやすい環境ができたことはインターネットのすばらしい一面だと思う。