2008年3月2日日曜日

沈黙期(Silent Period)

言語学者や第二言語指導者の間で認められている一つの仮説に沈黙期がある。これは、言語の習得の初期段階における現象で、第一言語でも多く見られる。特に学習者が児童の場合、一定の期間学習者は質問や会話の理解に集中し、応答などをしない現象がる。この期間が沈黙期間silent periodと呼ばれている。

この期間は、子どもはほとんど自発的に会話や応答をせず、強制される場合でも非言語的な方法(ジェスチャーや表情)で答えるぐらいだ。言語は理解から発話になることを裏付ける現象でもある。またこの期間は個人差があり、長い場合は通常の学習者の2倍必要の場合もある。しかし、その後の発話が質の高い場合もあり、沈黙期間が長いことが一概に言語能力が後れていることを示すわけでもない。

外国語学習は将来の経済的な大きな投資でもある。しかしこのような現象も認識し、長い目で余裕を持って、学習すべきである。インプットしたものがすぐにアウトプットするとは限らない。言葉は頭の食事である。栄養がすぐに身体に出る人もいれば、休憩や準備運動をしないとその栄養の効果が出ない人もいる。食事の仕方と同じで、言葉の吸収も人によりペースやスピードが変わる。問題はあせらせて、消化不良を起こさせないことである。