2008年2月28日木曜日

語彙の増やし方

私は語彙が言語の習得で最も大事だと思っている。語彙と言っても単語、熟語、フレーズ、会話表現、コロケーション、慣用表現などのいろいろがカテゴリーで区別される場合があるが、私はつながりや使い方さえ分かれば特に厳格な区別はしなくてもよいと思う。

問題はそれをどのように、そしてどれだけ覚え、実際に使えるかということだ。語彙を増やしても、それがウル覚えでは受動的な言語力しか発達しない。また発音などを無視し、つづりだけで覚えたのでは読解や作文には使えても、リスニングや会話には使用できなくなる。

日本人は受験などで多くの語彙を覚えるはずだ。しかし残念なことにその覚え方がウル覚え、文字との認識だけによる記憶しかない。これが会話やリスニング力を低下させている理由だと思う。会話を重視するなら、語彙を増やす際には音もともに覚えるべきだろう。現在の英語教育では発音記号の読み方を教えれる人は少ない、またそのような学習がALTによって不要とされてきている。

しかし、新しい単語を覚える際には発音を知らなければ覚えられない。幸い、近年の電子辞書の発達により発音を実際の音で確認できるようになり、この点に関しての不安材料は少なくなりつつある。

もう一点、語彙を増やす際の問題点は、その語彙が本当にネイティヴ達が使っているかである。最近ではコーパスと呼ばれる使用例のデータが入手できるようになり、語彙の使用頻度が統計的にわかるようになってきている。このような情報を積極的に利用し使われる語彙だけを優先して覚えさせることが英語教育において重要だろう。

最後にこれは私の語彙の増やし方だが、偶然にもNHKの「英語でしゃべらないと」のキャスターのパックンと同じ方法だったが、紹介したい。

1.会話やリスニングで新しい語彙に遭遇したら、その単語やフレーズをメモる。または携帯などのメモに保存する。単語は英語で意味は日本語でよい。

2.その語彙とまた遭遇するために、その語彙が出てきそうなテレビ、映画、ラジオ、ポッドキャストを聞く。

3.録音をして何度もその発音の仕方、使い方を身につける。

*音声によるリゾースを使用するのは目的が話すためだからだ。もし、英語を書いたり、もっと高度な文を読むために語彙を増やしたいのならば、リゾースを新聞、雑誌、小説に変えればよい。つまり簡単にいえば、話すための語彙作りは聞いて増やす、書くための語彙作りは読んで増やすということだ。

2008年2月27日水曜日

Useful Expressions Part 3

  • hoader 貯めこみや(ごみ山の家の人など)
  • head cold 鼻かぜ
  • winge ぶつぶつ不満を言う
  • pathetic 情けない
  • freak out ビビる
  • leading actor 主演俳優
  • loud (色などが) 派手な
  • be hooked on ~に夢中
  • unplug コンセントを抜く
  • plug in コンセントを差し込む

2008年2月26日火曜日

英語教育の親の役割

先日早稲田大学の名誉教授中島博先生と電話でお話できる機会がありました。中島先生は北欧の教育制度に詳しい方です。先生もスウェーデンには英語を学習しやすい社会的環境(テレビでの海外プログラムが字幕や吹き替えなしで放送されている)があり、それが英語教育の土台になっていることを認めていらっしゃいました。

その話の中で、スウェーデンでは小学校での3年生からの英語授業が1962年から始まっていることを教えていただきました。この1962年からが私は重要なキーワードだと思いました。おそらく小学校3年生からの教育を受けた人たちが一サイクルし親の世代になっていると言うことです。バイリンガル教育において親の役割は重要です。

バイリンガルでは内と外を作ることが理想的なバイリンガル教育なのです。つまり外(社会)が第一言語を使用するなら内(家庭)は第二言語、外が第二言語なら内は第一言語を使い分けることが子どもたちにストレス無く二ヶ国語を話させられるようになるのです。

この外と内の言語の使い分けには親が第二言語ができることが条件となります。おそらく想像できるのは、スウェーデンではすでに親が英語漬けになった第一世代で片言ながら家庭で子どもたちに英語で話しかけているのだと思います。親が外国語で話しかけ、家のテレビで英語も聞ければ子ども達も自分だけが習わせられているという疑問もなく素直に英語に浸り英語を学習しいけるのでしょう。

その子供たちもおそらく結婚が早ければ、すでに次の世代になっているはずです。こうなると三代目はかなりレベルが高くなっていくと思います。言語も3世代まで入れば完全に家族に定着したバイリンガル家庭が可能だと思います。


2008年2月25日月曜日

Creativity is the force of conversation.

昨日は、英検の二次試験のinterviewerを行ってきた。二次試験とは会話力をテストする試験である。英検は長くこの会話テストを二次試験と言う形で3級以上の級で導入しきた。TOEICでも昨年から会話力を判定するテストが開始されたり今、会話試験にスポットライトが当て始められている。

筆記やリスニングという試験は受身の試験であり、認識さえできれば答えが分かる場合が多い。しかし、会話や英作文は自分がcreatする力が試される。一般に受動的な言語能力と自発的な言語能力は必ずしも釣り合ってはいない。受動的な客観テストの場合はうる覚えや勘でも正解は導ける。しかし、production-based testは本当の実力が試される。会話力は読解やリスニングと違い、実力が反映される。

会話の力を高めるには、会話練習が必要だ。しかし、会話の質を高めるには、語彙を増やしたり、発音を正すためのリスニングも必要となる。読解は作文力を高めるためには重要な補強学習になる。全ての言語技術は相互作用しているからどれが不要とは言えない。問題は何を目標とするかである。会話を重視するのであれば、前述のような方法で学習しなければならない。

もう一つ、パターン化されないことも重要だと思う。日本人はパターンに強い。あるパターンを見つけ、その攻略方法をすぐに見つける。しかし、予想外の方法で攻められた場合の対応力がまだ弱い。英会話もパターンにしてはいけない。何が出てくるか分からないと思っておいたほうがよい。会話の危機管理だ。外人と会ったら必ずHow are you?と言われるわけではない。ほかの表現、ただのジェスチャー、無視、日本語で挨拶されたりと人によってどのように出てくるかわかない。面食らわないで、即興で対処する力も必要だろう。

日本人はアニメやお笑いに見られるような意外性、creativityを他の民族より持っているはずだ。ただ古い教育でパターン化された教育を受けたために、リアクションの取り方、話し方が固定化されてしまっただけだと思う。国際的俳優やミュージシャンを沢山排出している。もっとcreativityも磨けば日本人の英会話力は高まると思う。

2008年2月23日土曜日

教育

以前に英語によって所得が変わる話をある弁護士さんの話から抜粋しました。そして私立の学校では小学校から英語を積極的に授業に取り入れていることも書きました。このような現状を考えると、現時点では英語はお金がある人が更に学習できてお金が無い人は勉強できないサイクルになっているようにも感じます。

確かに教育はスポーツ同様、古代から贅沢なものと考えられてきました。近代社会、民主主義になり、だれもが公平に教育を受けれるようになりました。しかし、教育の質が民間と公共で異なれば本当の教育を受けているのか疑問にもたれる方も多くなるともいます。今、学力が巷で騒がれていますが、英語も重要な教育です。

我々は民主主義と同時に市場経済社会の中にもいます。消費者に受け入れられる者が市場を支配していきます。この点で公共教育はその原理から外れるのです。しかし、最近では地域の方が民間のアイディアを公共の教育に取り入れていこうと言う動きも出ています。

教育の定義は現代の複雑な社会では難しくなっています。しかし一ついえるのは、どの動物、生き物にも言えることですが、大人が子どもに教育するのは未来の社会でのサバイバル方法を教えることです。勝ち負けが騒がれる世の中ですが、本当の勝利はサバイバル(どんな状況でも人生を生きる)だと思います。

これからの変化の激しい時代の中で強い日本人のDNA作りの教育が必要なのではないでしょうか?私立や公立と言う次元で考えている場合ではないと思います。昔、まだ社会が小さい時代、近所の大人が子どもたちをみんなで育てました。それはその地域で子どもたちが将来生活し、コミュニティの重要なメンバーになるからみんな真剣におこなったのでしょう。今は、子どもは育ってもその地域を離れ海外にさえ行きます。自分には関係ない子どもに見えるかもしれません。しかし、社会は世界と言う村になっています。我々も世界村に住む先輩として、持っている全ての知恵を絞り様々なネットワークを使い子どもたちに英知をつけさせる必要があるのではないでしょうか?

2008年2月22日金曜日

漢文と英語

明治のころの人は英語を今の人よりも早くマスターできたと言う話を以前聞いたことがある。その人が言うには漢文教育が今よりも積極的に行われていたため、外国語(中国語)の文の作りなどに日本人は精通していたのだという。確かにに中国語は日本語よりも英語などに文法的に似ている。この部分では納得は行く。

漢文を英語の学習の前にやるべきかどうかと言う話は難しい。なぜならば、漢文は日本人が中国語を理解するための独自の学習方法であり、それをマスターした日本人が中国語を話せるわけではない。大昔の人々は中国からの書物を読むことに、その技術を大いに生かせたとは思う。しかし、実際のコミュニケーションが無かった当時は口頭での会話は漢文の技術では通用しないはずだ。残念ながら、この本役的な学習が英語教育にも流用され、長年日本人は英語を読む(自分流)ことはできても、話すことはできなかったのである。

しかし、漢文であれ、他の外国語がどのような文の作りをしていて、日本語よりも多くの音を持つことを英語の学習の前に知っておくことはマイナスになることはない。むしろプラスだとおもう。小学校での総合や国際理解の授業で、このようなプチ言語学的な授業を行うと子どもたちはもっと外国語に興味が出るのではないかと思う。

2008年2月20日水曜日

発音

発音はリスニングと関係しており、以前も書いたように日本人が苦労する学習アイテムの一つだ。ただ発音と言ってもsegmental featuresと呼ばれる母音や子音の音を正しく発音できるかと言う部分とsuprasegmental featuresと呼ばれるストレス(アクセント)、イントネーション、上げ調子・下げ調子、トーンなどの音の部分の二つがある。

全てネイティヴのように近づけることが望ましいが、私個人としてどちらを優先すべきかと聞かれたら、suprasegmentalだと答えると思う。発音が完璧でもストレスの位置や抑揚が異なれば、ネイティヴは認識できない場合が多いからだ。

20年前と異なり、英語圏の人たちも英語を第二外国語として話す人たちの英語に聞きなれている。また世界には数多くの発音の異なる英語が存在することも事実だ。ネイティヴたちもそんな色々な英語を聞くようになり、色々な英語を受け入れられるようになってきている。

ただ、アクセントが異なったり、抑揚がないと全く別の言語に聞こえる。英語は音楽と同じである。ジャズの演奏にいきなりお経が入れば、リズムは狂ってしまうだろう。リズムさえ同じであれば、たとえジャズの演奏で尺八や三味線で演奏してもそのような和洋折衷の演奏も可能だ。

日本人が英語を話すと言うことは、異なるジャンルの音楽がセッションをすることに似ていると思う。尺八で他の西洋の管楽器の音を正確に出す練習をする前に、ジャズのリズムをつかむことのほうが僕は大切だと思う。そのためには音楽をたくさん聴いてリズムを身につけるように、英語学習でもリスニングなどで英語に浸りましょう。

2008年2月19日火曜日

Useful Expressions Part 2

gut feeling 直感
a capital of ~の中心地
mutual friend 共通の友達
have a soft spot on ~に興味がある
diss 非難する
have a chill 寒気がする
I'm telling you. 間違いない。
sleep tight しっかり眠る
in the hindsight 後付で
curl up ちじこもる、家でごろごろする

2008年2月18日月曜日

Sweden

今日は興味があったのでSweden大使館を訪ねてみた。モダンな外装はIKEAなどの北欧のインテリアのセンスがうかがえた。

Swedenは北欧の国の一つである。人口は900万人しかないが、SAAVやVOLVOという車や携帯電話、IT、家具など世界によく知られた企業が多い。また税金が高いが社会福祉の充実度でよく知られている。外国人の留学生でも学費が無料となる。

この自然に恵まれた国のもう一つの知られていない世界的にレベルの高い点が一つある - それは英語力である。Sweden語はスウェーデンの公用語だ。しかし、この国のほとんどの人が英語を流暢に話す。私も昔、BackpackerだったころSweden人に会い、彼らの高い英語力に驚いた。

Sweden語と英語と似ている点が大きな原因だと思うが、最大の貢献者は実はメディアである。Swedenのテレビ番組では英語のまま字幕も吹き替えもしないアメリカやイギリスのテレビ番組が英語で流れているらしい。つまり国全体がメディアを使ってイマージョン(英語漬け)を行っているわけだ。

Swedenからグローバル企業が増え続けるのもSweden人の英語力が背景にあると思う。

2008年2月17日日曜日

Tokyo

今日はTokyo Marathon 2008年の日曜日。東京の中心地を市民ランナー達が今走っています。私も今は東京に住んでいるので、知っていれば参加したかったと思っている。とはいえ走り始めたのはここ一ヶ月、今参加すればすぐにリタイアだろう。ジョギングが継続できればいつかは参加してみたい。

ところで、東京はオリンピックの誘致で石原都知事もがんばっているが、東京は今世界でコスモポリタン(国際都市)としての位置はどのような位置にいるのだろう。国際都市の条件は、世界の人が不自由なく生活できなければいけない。この点で日本人として生活していると、この基準に合格しているのか分からない。英語だけで生活するとこの街に住めるか、一度実験してみたい。しかし、外国人の数が増えていることは確かである。一年に15万人以上の外国人に東京に転入するという。国籍は分からないが、東京には英語だけの情報誌もたくさんある。

日本人は英語を使える機会が少ないから英語が話せないと言う。もし東京に英語しか話せない場所ができたらもっと英語が話せるようになるのでは?石原都知事に東京に英語村を作っていただきたいと思うのは私だけでしょうか?

2008年2月15日金曜日

Studying English pays off.

主宰するスクールの受講生の大学生の方が有名な外資系企業に内定したらしい。うれしいニュースである。もちろん成功の秘訣は本人の人格や能力が大きなファクターだと思うが、その学生がTOEICの900点以上を取得していたことも企業には魅力だったことに違いない。数年前に大学生で英検の1級を合格した学生も日本の大手企業にすぐに内定が決まった。大学生で英検1級やTOEIC900点以上は確かに人事課の目を引くことは間違いない。

先日も書いたようにジャパン・パッシングという日本を回避する世界の動きがある。この一つの原因が日本に英語が話せる人材の少なさだと外資系企業は言う。外資系で働くのであれば英検の2級やTOEICの700程度では仕事に支障が出るだろう。即戦力を要求され本国からの書類や資料に常に目を通さなければならない。確かに仕事のハードさも聞く。しかし、報われるときの報われ方が大きい。まさしく英語と同じだともう。もちろん報われるにはかなりのレベルに達しないといけない。

2008年2月14日木曜日

In bad shape

一昨日風邪(最初はインフルエンザかと思いました)にかかり寝込んでいたのでブログのの書き込みができませんでした。だれでもこの時期は風邪にかかりますよね。特に人と話しをする仕事だと。

体調がすぐれないとき、英語ではI'm in bad shape. と言います。もちろん体調がよければI'm in good shape.です。

英語を英語圏でない国で学ぶことが難しいのは今更書くことではないですが、何より大変なのが間を開けれないことです。たとえ学習者でなくても英語の講師・教師でも英語圏に生活していなければ、常に英語と接していなければ忘れてしまったり、または母国語モードに支配されていきます。

とはいえもちろん母国語モードをくずしてもいけないので、またこの部分も大変なのですが。これは、日本人の講師だけに言えることではありません。ネイティヴであっても、生の英語と触れない時間が長ければネイティヴさが薄れます。

私は毎日必ず最低30分以上英語のRadioやPodcastを必ず聞きます。また1時間以上は英文を読みます。たまに体調が悪かったり、趣味の釣りで人里離れた山奥に入るとこれらの持続練習ができなくなるので勘をとりもどすのに時間がかかったりします(通常は数十分で元に戻りますが)。体調が悪くなると特に第二言語は影響を受けるものです。bad shapeの状態はすべてがbad shapeになります。健康に注意して英語を勉強しましょう。

2008年2月12日火曜日

Useful Expressions Part 1

Useful Expressions でリストした古いリストをこちらにアーカイブとして残しておきます。


  • dicey situation 危険な状態
  • far-fetched こじつけの
  • chicken out おじけづく
  • trade secret 企業秘密
  • pay an arm and a leg 多額の金を払う
  • time ordeal 時間との戦い
  • give a best shot きめる、良いとこを見せる
  • rhetoric 言葉使い
  • catchy 受けそうな、流行りそうな
  • old school way 古いやり方で

2008年2月11日月曜日

Spin-off

 spin-offとは副産物や思わぬ儲けを意味する。最近では映画などで主人公でない人をテーマとして作る映画などにもこの用語を用いる場合がある。日本映画では「踊る大走査線」から出た「交渉人 真下正義」 「容疑者 室井慎次」などがそれにあたる。
語学においてもSpin-offはある。我々は英語を学んでいるが一定のレベル、大抵中級の上の人に多いが、他の外国語が学びやすくなるのだ。ある程度成功を収めたら、2個、3個と連鎖していくのは言語においても同じだ。
英語は特に色々な言語とリンクしている。イギリスの言葉と言えども、ヨーロッパ言語の寄せ集めというか集大成のようなもの。インドヨーロッパ言語に属する言語なら、英語をある程度マスターした人であれば学習がしやすくなる。私もスペイン語を学んだときは学習の応用性だけでなく、言語自体の関連性から英語のスタートよりもはるかに簡単に感じた。
 最近は、英語の汎用性はヨーロッパ言語に限らない気もしている。音素の多い言語の学習において英語の音に慣れ親しんでいる人であれば、それが中国語であっても難しく感じないであろう。
 世界にはマルチリンガルと呼ばれる何ヶ国語も話せる人がいるが、私はこのスピンオフを利用しているのだと思う。ベースとなる一つの外国語をある程度ものにすれば、同時進行でもこのうような恩恵を得れるのではないだろうか。

2008年2月10日日曜日

児童英検

 今日は自分の主催するスクールで児童英検の試験を実施しました。児童英検は(財)日本英語検定協会の実用英語検定のジュニア版です。小学校でも積極的に活用しているところが増えているようですが、まだ英語スクールで受験する児童がほとんどです。
 テストはどうしてもPassive Competence (受動的語学力)の診断しかできない性質があるのでActive Competence(自発的語学力)は別の試験、たとえば面接試験などでテストをするしかないです。ただ、児童の場合は、母国語にしても言葉の発達段階において、受動的能力が最も伸びる時期なので、このようなテストは有効だと思います。現在、Bronze、Silver, Goldの三つのレベルがありますが実用英検ともリンクをしているのでSilverやGoldで英検の5級を受験できるかどうかも分かり英検へのモチベーションの高い児童には良いきっかけとなります。
 また児童英検は合否ではなくスコアで結果が出るので合否によるDemotivation(やる気をなくさせる)や不合格の場合の精神的なダメージも与えないので、プレッシャーのかからないテストであることも魅力です。最近はTOEICが人気がありますが、TOEICも合否でなくスコア診断方式のテストなので受験者が精神的に楽に受験できるのかもしれません。
 私はどんなテストも語学学習者にとって重要だと思います。テストのために英語をすることも、英語を習っていて力試しで受験する人もモチベーションやゴールができることは語学学習にとって大切です。語学は継続やつぎ込む時間が重要なファクターですが、それを支えるのは目標です。試験を目標にすることの論議は別として何かを達成する気持ちは語学にとって大事だと思います。

2008年2月9日土曜日

文字から音へ

 言葉が再度メディアにより変容しようとしている。インターネットは15世紀のグーテンベルグの活版印刷の発明に近い力で言葉の形を変えようとしている。15世紀以前は言葉は全て音により伝えられていた。英語は我々の日本語など絵文字から発展した言語と異なり音で伝えられていた。英語ほど文字のシステムの発展が遅れた言語はない。それが、15世紀の活版印刷と航海時代や植民地化に伴い、印刷物や研究書物、そしてキリスト教の布教により聖書の印刷などが始まり話す言葉とつづりの関係が考えられるようになった。他のヨーロッパで使用していたアルファベットを使用したもののヨーロッパの言語に影響を受け、またイギリスの地域や階級により発音などが異なるイギリスでは単語のつづりもまちまちであった。ある程度の統一が行われていったにも関わらず、活版印刷からまだ600年ほどの英語はそのつづりも矛盾するものが多く多くの英語学習者やネイティヴでさえ読み書きを困難にさせている。
 1990年代インターネットの普及により英語の文字が世界に更に広がることが予想されたが、この数年のPodcastやStreaming RadioやYouTubeなどの音を伴うコンテンツが広がる傾向を見ると英語の文字よりも英語の音の普及のほうが早いのではないかとも思う。私は今の英語学習者は恵まれていると思う。昔は英語の生の音を聞こうとするならば、EFN(現在のAFN)か映画館で映画を見るくらいしかなかった。しかし、いずれも生の一般のネイティヴがどのように話しているかを聞くことはできなかった。しかし今はインターネットで世界の英語、そして様々ななまりなどが聞ける。
 英語のように音から発展した言語の学習には音から学習するのが一番良い。文字から発展した日本語を話す我々はつい文字から入るが、まず音から。このよな英語を学習しやすい環境ができたことはインターネットのすばらしい一面だと思う。

2008年2月8日金曜日

学校英語

 学校の英語はいつも批判を受けます。それは仕方がありません。公共の外国語教育は国の政策を反映するのです。外国語教育を効果的にすることは、ブレイン・ドレイン(頭脳流失)やその言語のアイデンティティ喪失を助長する可能性もあるからです。二ヶ国語を公用語とするカナダでさえ、ケベックでは英語を話さないし、他の省ではフランス語を話せる人は少ないのです。それは、各省の自立性や経済的な交流を受け入れない部分があるからです。カナダ人で二ヶ国語を話せる人は、私立のイマージョン・スクールや語学スクールで英語やフランス語を習っています。国の語学政策で成功した例はほとんど聞いたことはありません。日本人の英語力が常に過小評価されていますが、公共の英語教育と、行き過ぎの英会話スクールのコマーシャリズムに原因はあると思います。
 本当の語学教育は質の良い語学スクールや私立の語学を教育の方針として掲げている教育機関でしか成しえません。私立の学校では非常に進んだ英語プログラムを揃えているところが多くなっています。近年中学受験をする小学生が多く、私立の中学に入る方も多いですが、公立の小学校から私立の中学に入った場合、付属の小学校がある場合にその小学校ですでに良質の英語教育が行われているため、中学に入った時点で英語で遅れを取っていると言う話も聞きます。また私立の小学校では英会話などを充実させています。来年から海外の大学の設立の基準が緩和され、海外の大学と日本の大学で日本の学生の獲得合戦が始まります。海外の大学に入るほうが外資系への就職、海外就職などを考慮に入れると有利と考える日本人も増えるはずです。ブレイン・ドレインを恐れる場合ではないと思います。現にインドなどの学生は海外に留学しても、多くがインドに戻っててきています。海外で色んなことを学ばせて将来日本に還元してくれるだろうと考えれる太っ腹教育をすべきだと思います。

2008年2月7日木曜日

Modern EFL Approach

80年以降アメリカの言語学者Krashenという教授がナチュラル・アプローチを提唱しました。現在これがコミュニカティブ・アプローチと発展し世界の英語教育で主流の教授法とされています。それまで(100年以上も前)の第二外国語授業は、言語は一種のフォーマットつまり文法などに従い、後は単語をインプットして文を作れるようになれば会話ができると信じられていたのです。この方法は現代では“学習”と位置づけられ、高いIQを持つ人々には受け入れられるものの、普通の外国語学習者には向いておらず、効果も一部の人にしかありません。日本の英語教育は今日もこれに近い方法を行っている場合があります。その後1940年代Ladoなど行動主義者が言語も運動などと同じで、反復練習によって習得できると提唱し、オーディオ・リンガル・メソッドが普及しました。多くの大手英会話スクールでこの方法が採用されていました。英会話教材の中にはこのメソッドを使ったものまだ多く出版されています。音声面の練習が多く、日本人にとっては重要な練習も行えるのですが、インタラクティブでないこの授業は機械的で興味を持ちづらい。また反射神経などの運動的な能力も必要とするため、このような能力を多く備えていない人は自分が言語の才能がないと思ってしまうなど欠点も多く現代では言語学者から嫌われています。そしてKrashenのCommunicative Approachが出てきたわけです。私は、Krashenを80%指示するInnatist(生得主義者)に近い考え方を持っているので、英語は早い時期から第一言語の習得に似た方法で教えるのが一番良いと考えています。しかし、先にも述べたようにIQの高い人には文法中心の英語でも十分効果があります。また運動神経や記憶力が高い人にはオーディオ・リンガル・メソッドもインタラクティブな授業も加えれば効果はあると思うのです。しかし、ほとんどの人は天才でもスポーツ選手でもないのです。学者やアスリートのような方法で英語が習得できるとは限りません。普通の人がナチュラル(自然)に言葉をみにつけるのであれば、その自然に身につける方法を研究するのが指導者の責任だと思います。

2008年2月6日水曜日

発音の化石化(fossilization)予防

日本人が英語で苦戦する理由の一つが発音です。音素の数で日本語は英語より少ないことは良く知られていますが、発音方法や単語の音節の作り方が異なる点も挙げられます。たとえば、日本語のほとんどがopen syllable (言葉が母音{アイウエオ})で終わる)のです。このためbreadはブレッド(breado)speakがスピーク(speaku)といわゆるカタカナ発音と呼ばれるような発音になってしまいます。英語にもopen syllableの単語はないわけではありません。See do, go, no, tree, to, zooなど。しかしその数は限られており、ほとんどがclosed syllableです。ネイティヴのような発音にするには、open syllableでない言葉は母音を入れないで最後を子音の音だけで発音するように心がけましょう。意識をするだけで発音のfossilization (化石化)が防げます。

2008年2月5日火曜日

Super Tuesday

 今日火曜日はアメリカでは大統領予備選挙の集中日となり、super Tuesdayと呼ばれる日です。super はもちろん凄いことを意味しますが、今回は予備選を行う州も多く、民主党のヒラリー・クリントンとブロッコ・オバマの壮絶な争いなどからmega Tuesdayとも呼ばれています。開票結果に関心が寄せられます。このmegaという言葉もアメリカ人は良く使う言葉です。おなじみのマックのmaga macからmegaの大きさが感じ取られますね。

 もちろん予備戦だけではアメリカの大統領が誰になるかはまだ分かりません。アメリカの中西部や南部には保守的な共和党支持者も多く、変化を求めるオバマ氏支持者がその層を超えるほどいるのかは海を越えた日本では感じとれません。

 アメリカは今経済的に苦しい状態に入っています。しかし、オバマ氏のような市民の立場に立つ若い政治家が出てくるところに、アメリカの人材力のポテンシャルの高さを感じます。日本は資源も何も無い国です。人材力だけは他の国に負けないようにしてほしい。それはこれまでの学力の高さだけでなく、変化を恐れないチャレンジャー的な人材が必要だと思います。 
 
しかし、オバマ氏が大統領になれば更にJapan passingが進むと予測されている方も多いので日本も厳しい状況ですね。

2008年2月4日月曜日

Japan Passing

 昨日NHKのNHKスペシャル 日本とアメリカ2「ジャパン・パッシング“日本離れ”との闘い」を見た。我々の知らないところで、日本の経済的な地位が危険な状況になっている。日本は食料と資源において世界に依存している事実がある。しかし、反面日本と言う自国のマーケットは外国に相変わらずOPENにしていない。そのため、外資系企業は日本に進出できず、その結果経済だけでなく教育においても本当の国際化ができない環境になっている。一昔前は国際人イコール海外へ行く人と言う公式が成り立っていたが、海外への旅行者も減り益々海外との接触が少なくなってきているのではないだろうか?たしかにネット社会により海外の情報はクリックするれば手に入る世の中になったが、生の異文化の交流がどれほどできているのか疑問だ。特に国内において。欧米などの外貨が円に対して強くなり日本には多くの外国人が訪れている。日本に住む外国人も増えている。しかし、欧米の会社が日本を避けて中国や他のアジアに行ってしまうのは寂しいことだ。番組中でも言われていたが、もう一つの要因は英語を話せるスタッフが探しにくいと言う問題があるらしい。日本でアメリカの企業ですぐに働けるような人が育たないのは実用的な英語指導が行われていない証拠である。日本再生には英語は不可欠。日本に外国企業を入れ、外国人観光客を呼び、Japan-madeの質の良いものを彼らにそして海外に売っていくには本当に使える英語が求められていることを実感した。

2008年2月3日日曜日

英語力の高さが所得に直結する

 小学生の保護者の方にまず知っていただきたいことがあります。それは、英語を話せるか話せないがで、所得に差がつき得るということです。英語が話せる人は 高所得者であることが多い。理科や国語、算数などは、その能力の高さが必ずしも所得の高さに結びつくとは限りません。幸いなことに英語は頭がいいとか悪い とかに関係なく、努力をすれば誰でもできるようになります。数学はそうはいかない。ある種の才能が必要です。できる人とできない人ができてしまう。努力次 第で誰もができるようになり、しかも将来の高収入に結びつく可能性が高いのが英語です。英語ができる人とできない人では、収入に差がつく可能性が大いにあ ることを子供に具体的に説明し、情報として開示すべしと思っています。
 いま、情報と言う言葉を使いました。織田信長は「法螺貝が鳴ったとき、戦 いの六割は決まっている」という言葉を残しています。戦いの前の情報収集がいかに大切かを知っていたからです。現在私たちが手に入れる世界の情報は、英語 で発信されたものが圧倒的に多い。ビジネスにせよ、研究にせよ、世界で一番新しい情報を一日も早く、数多く手に入れることが勝負の分かれ目です。英語の情 報にアクセスできない人は、アクセスできる人に比べて格段に情報量に差がついてしまう。それが所得に直結する。英語抜きの情報で勝負しても勝ち目はうすい でしょう。
 英語は、努力すれば誰もができるようになる、と述べました。もう一つ「持続力」がマスターするためのカギです。「字統」「字訓」「字通」の字書三部作で著名な白川静さんは、これらを執筆したのが73歳。和漢の古典を生涯かかって勉強し続けてきた持続力の結晶です。
  世界中から新しい情報が飛び込んでくる時代です。英字新聞を読みこなせ、英語の放送が聞け、英語で論文が書けるレベルまで英語能力を高め、自家薬籠中のも のにする必要があります。これは容易なことではありません。しかし、日本では簡単に考えすぎ、英語の重要性が軽視されている。中学校の先生は英語の知識は 豊富でも、それが必ずしも実際の運用につながっていない。明治以来何の反省もないと言っていい。小学校から英語を勉強するのでは遅すぎます。幼稚園の時か ら、英語を教えるべきだと思います。
執筆者:升永英俊氏 - 東京都生まれ、ワシントンDC、ニューヨーク州の弁護士(日本英語検定協会「Jr. STEP NEWS」12月号から)