2008年4月18日金曜日

Lexical nightmare is the boon for brain?

英語の世界に入った人は語彙の迷宮とも思える英語の語彙の豊富さに圧倒される。もちろん、会話レベルではPaul Nation氏などが述べるように使用頻度の高い2,000語レベルで十分駆使していけるはずだ。この語数は確かに中学で学ぶ語彙数に近く、「中学レベルの英語でも英語は話せる」という本などを書かれる方の話もうなずける。このレベルであれば他の言語なら中級レベルまでにいけるだろう。

しかし、実は英語はここからが容易ではない。4,000~5,000でも中級レベルである。このあたりがGermanic English(ゲルマン系英語)の境界線である。ここからはAnglo FrenchやLatin, Greek系英語の語彙の世界が始まる。英語に同義語が多いのはこの英語と言う一つの言語の中に3~4種類の異なる言語が歴史的に入り込んでいるのである。そのためcow - beef -bovine のように最低でも3つ以上同じ意味を表す言葉が存在するのである。ちなみに、私はたまたま大学でスペイン語を学んだためかLatin系の英単語にはなじみやすかった。

英語はまたブラックホールのようにcoined wordと呼ばれる造語表現を生み出し、またloaned word(借用語)を世界中から取り入れていく。このため常に語彙が膨れる。その数は把握できないぐらいだ。おそらく1,000,000語近くあると言われている。それは人間には記憶できる数ではない。

世界には語彙を増やさずにシステムとして自分なりの表現を語彙の活用により作り出せる言語もある。そのような言語では語彙はそれほど必要としない。では何故英語は語彙がそんなに多いのか?。

言語を変えて、日本語を見た場合、日本語はなぜ漢字もひらがなもカタカナも必要なのか?なぜ読めない漢字などがあり、一生をかけて多くの漢字を読めるようにしたり漢字を忘れないように努めるのだろうか?この議論に似ているようにも感じる。

語彙を増やす、多くの複雑な語彙のシステムを持つことは人間が記憶という人間の証明を維持することと戦うために考えた知恵なのではないかとも思うことがある。話が変わるが、重力がない宇宙では人間の脳は重力の刺激がないために痴呆症になりやすいという科学的な記事を呼んだことがある。人間は脳を刺激し、人間であることを維持するために複雑な言語のシステムや語彙を増やしたりするのでないかと思ってしまう。

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